「AREA Tokyo Design Award 2020」受賞作品の製品化についてお知らせ

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AREA Tokyoは2019年にフランス・パリ店をオープン。世界への進出を機に、若手デザイナーの育成とその作品を世界へ発信することを目指して、製品化を前提としたデザインコンペ「AREA Tokyo Design Award 」を企画しました。

 

第一回目は、武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科インテリアデザインコースから20名が参加し、2020年に開催されました。

テーマは“ALIENATION”(異化効果)。

ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトが1920年代に発案した“ALIENATION”をテーマに、学生たちが新たな家具を創造。6週間という短い期間のカリキュラムにおいて、素晴らしい作品の数々が生み出されました。

 

2020年9月、各分野のデザイナー・専門家を迎え、プレゼンテーション/審査会を開催し、5つの優秀作品が選ばれました。その中から、各作品の製品化に向けAREA Tokyoデザイナーとさまざまな製作工房の手により開発を行い、最終的に2作品を製品化する運びとなりました。

 

この度、新シリーズ「ALIENATION」(エリアネーション)として発表いたします。

 

今回製品化された作品は、「side board ALIENATION」「stand light ALIENATION」の2点です。

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「side board ALIENATION」

design:Takumi Fukushima edited AREA Tokyo

material:MDF / Hinoki / Tagayasan

size:W1885 D45 H800

price :¥1,342,000

 

緊張感のあるキュービックなボディ。

ひび割れから覗く、鉄紺から朱色へのグラデーション。

朽ちゆくものの美しさを新たな家具で表現しています。

 

<デザイナー 福島 拓真コメント>

・AREA Tokyo Design Award 2020 について

いつもとは環境の違うなかでの制作において、一番大変 だったことはモチベーションを保つことでした。パンデミックによって通学すら危うい状況の中、AREA Tokyo Design Award は私たちのものづくりを促進させる大切な機会だったと感じます。

 

・製品化された作品について

在学中の作品が家具として製品化することに感動しています。 「sprit」を製品化していただく上で AREA Tokyo のブランド力に驚かされました。自分の中では予想し得なかった色合い、デザインなど自分の作品を一つ上のランクに押し上げてくれたように感じます。ひびという普段敬遠されがちなものを美しいテクスチャに変換し、製品でありながら唯一無二の家具です。一人でも多くの人に見ていただき、好意を持ってもらえる作品になれば嬉しいです。

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「stand light ALIENATION」

design:Ryoya Fukaji edited AREA Tokyo

material:SUS / Hinoki

size:W750 D120 H1765

price:¥135,300

 

自然物と人工物。

対照的な素材で構成されたミニマルなフォルム。

デザインと機能が美しく融合した照明が生まれました。

 

<デザイナー 深治 遼也コメント>

・AREA Tokyo Design Award 2020 について

実際に使用できる精度で制作する。そして、活躍されているデザイナーのみなさまにご講評していただけたというのは、 学生として大変貴重な経験になりました。テーマが「異化効果」というあまり身近ではない言葉であったからこそ、今まで触れてこなかった事象まで思考し、立体や機能に落とし込むという過程がおもしろかったです。

 

・製品化された作品について

製品化していただきありがとうございます。「遊びと余白」をコンセプトに制作した照明。生の素材にか出せない、立ち入ることのできない余白があると感じています。繊細な金属と素朴な木材の距離感や、その間の空気が美しく成り立っているのではないかなと思います。

 

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AREA Design Award 2020 受賞作

金賞「SPLIT」、銅賞「Urban Belt Lamp」

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武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科

山中 一宏教授コメント

・AREA Tokyo Design Award 2020 について

AREA Tokyo から与えていただいた大変興味深いテーマ「異化効果」に対して学生は各々迷走しながら自分の一つの答えを導き出そうと、頭の中で、エスキース帳上で、または素材を前に手を動かしトライアンドエラーを繰り返しながら(この手法が一番多かった)模索した日々であった。商品として流通させ るものを大前提として考える部分にエキサイトし、緊張感が生まれていた。それを意識した上で、デザイナーとしての倫理観・価値観をどう確立していくのか。そのバランスはどう調整したらよいのか。この6週間の格闘の中で得たものは普段の大学の授業の中では得ることのできない貴重なものである。

 

・福島拓真さんの作品について

新たに提案するデザインであればどこかに新鮮なアイデアや提案を盛り込みたいという強い思いから、 福島は素材の加工方法から開発することで既存の木材に新たな生命を吹き込もうと模索した。数えきれないほどの実験から生まれた素材の表情はケミカルな印象を持ちながらも自然に形成されるヒビがそのまま表 面に現れ、ユニークなものとなった。様々な展 開の可能性を持ったデザインであるが、今回はAREA Tokyoにより、マーケットを意識し、機能性も、より考慮した改良が加わり、全体のデザインはオリジナルの印象とはかなり変わったが、これが生活空間の中でどのような空気感を放ち使われていくのかが楽しみである。

 

・深治遼也さんの作品について

金属と木材の生の素材感をそのまま生かし、造形的なバランスを考慮して組み上げたミニマムな照明である。LEDが放つ光はシャープで繊細であるが、土台である荒削りの木材が受けることによって静かに 温かさと安心感を生み出している。商品化の過程でオリジナルのデザインの段階で存在感を示していたもう一つの素材(銅のテープ)が消えてしまったのは残念ではあるが、このランプの放つ独自の魅力は健在である。

 

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AREA Tokyo Design Awaro 2020の作品製作過程から、審査会当日のプレゼンテーションをAREA Tokyo オフィシャルYouTubeチャンネルにてご覧いただけます。

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