01. フレーム部材加工
ソファの骨組み、つまり「フレーム」は木材でできているわけですが、ソファ製作の最初の工程はそのフレームの部材を一つ一つ作りだす「木工」の作業場からはじまります。
いかにも“工房”らしく、機械や集塵機など大きな音が響き渡っている木工の作業場。厚さの異なる数種類のべニア板や、予め必要な厚み・幅にて切り出された長尺の無垢材などがストックされており、ソファの機種や使用するフレーム部位によって材料を使い分けながらフレーム部材を切り出していきます。
しかし驚くことに加工機械の周辺には図面が見当たりませんでした。そのかわりに文字が描かれたこのような板を使って職人がどんどん加工していきます。
この板は「治具」と呼ばれるいわゆる「型」でした。つまりこの治具が設計図面の代わりの役目も果たしているので図面は不要というわけなのです。このような複雑な形状のパーツを切り出す作業も治具を使いながら機械をセッティングすることで効率よく作業が進んで行きます。
こちらは背もたれの一番上に来る部材の治具。微妙な角度が付いた部材に機種の名称が記載されていますが、このように基本的には機種ごとにそれぞれ独自の治具が用意されています。
ノコ刃が斜めに出ているのがお分かりでしょうか。このようにノコ刃の角度を治具に合わせて変えることで必要な角度設定を簡単に行えるというわけです。
この機械はかなり複雑な作りで、素人は見ても何の機械なのかさっぱり分かりませんが、ホゾ加工を行う機械とのことです。予め加工のプログラムを入力しておくことで後はコンピューター制御で加工するという優れモノ。
仕上がったホゾ加工がこちら。精度抜群ですね。フレームを強固にしっかりと組み上げるためにはこの「ホゾ加工」が効いてきます。
この木工の部材加工の工程は、受注生産であるソファーズの製作の中で唯一、複数台分まとめて作ることもある工程だそうです。さて、一台分のソファフレームの全パーツが揃ったところで、組み立ての工程に入って行きます。