08. 検品・出荷


縫製完了後、カバーは専用建屋から元の工房に運び込まれてそこで最終工程を待ちます。まずはカバー生地に「針」が刺さったり、残ったりしていないかどうかを専用機械で全て検品します。


そして今度はハンディタイプの金属検知器でもう一度カバーの検品を丁寧に実施。同時にフェザーバッグの方も検品します。フェザーバッグにも小さな金属片のようなモノが混入している場合がごく稀にあるそうですが、そういったものも一切見逃さないよう全品検品し、確実に除去しているそうです。ここまでやってるというのを聞くと安心感が違います。


また、フェザーバッグは既定の量のフェザーが注入されているかどうか、重量もチェックしていました。機種やその部位ごとにフェザー注入量も異なりますが、座り心地に影響してくることもあって管理は非常にシビアです。規定と異なる場合は容赦なく弾かれます。


個々の検品が終わると、フェザーバッグの中に積層ウレタンをセットします。積層されたときのウレタンの順番が、座り心地に強く影響するので上下を間違えないように注意しながら作業していきます。


フェザーバッグにカバーが施されます。背クッションや座クッションはファスナーを締めるだけなので簡単ですね。写真ではカバーにグレーのテープがくっ付いていますが、これはカバーにあらかじめ縫われているマジックテープがカバー生地に触れてしまわぬよう、傷めないようにする配慮からです。


ちなみにこのグレーのトリコットテープはソファご購入時に付属品として付いてきます。カバー交換時にマジックテープ部分に貼っておくと生地の保護効果が飛躍的に高まりますので、ぜひご利用ください。


クッションのカバーリングと同時に本体の方のカバーリング作業も進みます。


カバーリングの工程が終了したら、次は出荷前検品です。多くのチェック項目が用意されており、一つ一つ丁寧に確認していきます。


最終検品の中でも、特に重要なのが「座り心地チェック」です。座り心地は機種ごとに「仕様」として決められた座り心地があり、その通りに仕上がっているかどうかをベテランのチェック担当者が1台づつ座って自分の感覚で確かめるのです。少しでも違和感があればクッション材の中身を交換したりしながら、最終的に決まった座り心地になるように微調整していきます。


検品が終わると梱包作業に入ります。ソファ―ズのソファは一般的な同サイズのソファに比べても非常に重いのですが、その重量に耐えられるよう梱包にも様々なこだわりや工夫がされています。例えば段ボールはダブルカートンと呼ばれる2重構造の厚いものを採用しています。これは輸出入の輸送の際に使われるような丈夫な段ボールです。また、写真のように、脚部が直接触れないように発砲スチロールでソファ全体を浮かせて箱に収めています。これは輸送途中に、本体から突起している脚部に負荷が掛かるのを防ぐためです。万が一衝撃があっても脚部が箱を突き破らないように、ベニヤ板が貼られているのも見えます。


最終的にはソファ全体を不織布、エアパッキン、ビニール袋の三つの素材で厳重に覆って、蓋箱が被せられます。輸送時にソファがぐらぐら動かないような緩衝材なども抜かりはありません。尚、お届けの際はこの大きな箱のままでは入らないのでご自宅の中に入れる前に外で開梱してしまうケースが多く、ご購入された方でもこの梱包状態を目にしていないのではないかとは思われますが、このように商品に対する想いが詰まったこだわりの梱包でお届けしていることを知ると、ソファへの愛着がまた違ったモノになるかもしれません。